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【活動報告2022.05.19】(第14回)縁joy!日本書紀の会

開催日: 2022年5月19日(木)
出席者[入会順、敬称略]: 
荻野、関、増山、森本、宮嶋、深田、柳下、鈴木

<発表者> 森本

神功皇后(じんぐうこうごう)。名前も知らない方が多いのではないでしょうか。昨年私(森本)がテーマとして取り上げた第15代応神天皇の母で、4世紀に活躍した皇后です。日本初の女性天皇が第33代推古天皇であることはよく知られていますが、それよりも200年も前に、皇后という立場で実質的なトップとして南九州平定や新羅出兵をするなど、ぶっ飛んだ行動力とカリスマ性を持った超個性派の女性でした。日本書紀では天皇と同格扱いされた唯一の皇后で、他の天皇と同様に「巻(古くは書物が巻き物になっており書籍の一冊のまとまり)」を設けて記述されています。明治時代には紙幣や切手の肖像画になり国民にも馴染み深い人物でした。とはいえ、謎多き皇后という側面もあります。卑弥呼との共通性、夫の仲哀天皇との微妙な関係、神が降臨する巫女の如き振る舞い、重臣武内宿禰との関係、当時の内政・外交や貿易との絡み等々。新羅出兵に至るまでの経緯を日本書紀から読み解きながら、参加者の皆さんと一緒にミステリーの紐解きを行いました。

<感想> 鈴木

日本の創成期をリードしてきたのは女性だったのかもしれないというのがまず思い浮かんだ感想です。天照大神しかり、卑弥呼しかり。そして国家形成期に出現した神功皇后はその象徴なのかもしれません。これだけ強い女性は、世界を見てもそんなにいないのではないでしょうか?いずれにしても、女性の霊力がなければこの国は成り立たなかったのでしょう。神功皇后は、その後の応神・仁徳など河内に巨大古墳を建設し、また半島諸国と戦いを繰り返しながら日本という国を形成していく時代の先駆けとなった新たな時代を切り開いた女性でした。

仲哀天皇がかわいそうという声もありましたが、名前からしてかわいそうな感じであり、日本書紀の編纂者が、そのように描いたものだと思われます。歴史的には、崇神以来の皇統が仲哀でいったん切れて、応神以降の河内王朝につながっていくという河内王朝説の可能性もあるかなと感じた次第です。

また、壬申の乱を経て夫を天皇にし、その跡継と定めた自分の腹を痛めた子を失い、孫を天皇とするために自ら即位した強い女性、持統天皇は自分の姿を神功皇后のなかに見出していたのではないだろうかという印象を持ちました。夫亡き後、自ら直接日本の統治にあたり、律令や藤原京の完成、また伊勢神宮の祭祀確立などその後の日本の形を決める重要な決定を行ってきた持統の思いが、新たな時代を創出した神功皇后に反映されたのかもしれません。日本書紀の編纂に口出しできる立場にあった持統ならやりかねないかなという気がします。

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