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【活動報告】 宇宙の謎にせまる会「大橋学長を囲んでの勉強会」 2024.3.19

日時      : 2024.3.19 16:00~18:00

出席者   : 大橋学長

              松尾、藤川、小関、小倉、萩元、藤原、池上、小森、高井、早木、増山(記)

 今回は、新たな取り組みで、宇宙に関する日本トップレベルの研究者の大橋学長を囲んで勉強会を開催しました。

 まずは、松尾会長からこれまでの本会の活動状況について、紹介しました。
 そして、今回のメインテーマは、大橋学長の専門分野である「X線天文学」。本会メンバーにとっては、ちょっとハードルの高いテーマでしたが、3名の代表メンバーが各自でまとめたX線天文学に関する調査内容と質問事項を順次プレゼンする形式で行い、随時大橋学長からコメントを頂く、という進め方で実施しました。

代表3名のプレゼンタイトルは、次のとおり。
 ① X線天文学の基礎
 ② 宇宙のX線源
 ③ X線観測、XRISM

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プレゼン資料より抜粋

大橋学長を囲んでの勉強会風景

今回の勉強会終了後に、皆さんから寄せられた感想の抜粋を以下に紹介します。

ブラックホールから噴出しているジェットの正体がわかって、もやもやしていたものがすっきりしました。また、可視光とX線を通しての見え方の違いとその理屈が理解できたのですが、それにしても銀河団の超高温のガスがX線でははっきりと捉えられているのに、実際のその場所は0℃に近い状態にあるということは驚きでした。

光(電磁波)の分類やX線では高温の宇宙が観測できることまでは、理解できたと思います。そのあとは…とても難しいです。ブラックホールのジェットはブラックホールから吹き出ているのではなく、ブラックホールに吸い込まれなかったものが飛び出していることを知りました。これからも少しずつ理解を深めていきたいと思います。

物理学(相対性理論、量子力学、原子物理学等)、天文観測学、数学等のバックグラウンドがないメンバーへの説明は容易ではないと思いますが、少し的を外れた質問の軌道修正を含めて、できるだけ分かり易く懇切に説明して頂いたことに感謝いたします。ご多忙の中、日本トップレベルの研究者でいらっしゃる先生とセッション及び親睦会をもてたことは望外の喜びでした。

宇宙の解明は天体観測→それを説明できそうな理論の構築→天体観測による検証→理論の見直し、のようなサイクルを概ね辿ると思います。数学のように頭の中だけで構築可能なものと違い、観測が非常に重要であることを改めて認識しました。理論だけでなく観測にもノーベル賞が授与されるのは大切なことだと思います。宇宙の啓蒙書は大抵、宇宙物理学者が書いており、疑問を残しつつも何となく分かったような気になるのですが、今回の勉強会で理解が実はよくできないていないことが分かったのは収穫でした。また、現にある現象を観測するのではなく、どういうメカニズムでそのような事象に変遷したかを調べる天体観測の魅力を再発見できました。

先生の講義を受講したメンバー達(自分を当然含め)とはいえ、しっかり理解できている状況にはなく、大橋先生だから聞けるモヤッとした素朴な疑問をいくつも素直に聞くことができたことは、大進歩でした。さらに、事前勉強会を起点に皆X線天文学に関し自分なりの勉強をした状態で望むことができたと思います。X線の特質から、超高温の中性子星、銀河団、超新星爆発跡、ブラックホールなどの構造や挙動が観測でき、未知の分野の解明に寄与できることが分かりました。さらに、X線による天文観測にはXRISMのような天文衛星を使用しないと大気の影響で何億光年もの遠くからやって来たX線情報が地上では観測できないことから、XRISMが3年という限られた設計寿命の中で取組むミッションがいかに重要か分かりました。マイクロカロリメータ開発に都立大学が貢献しているということで、とても誇らしい気持ちにもなりました。

プレミアムカレッジを修了して後に、都立大学長室で大橋先生に講義をしていただけるなんて、何と贅沢で特別な時間が与えられたのだろうと夢のようでした。ただ星を見るのが好きな私にとっては、「X線で見る宇宙」は分からないと最初から敬遠していました。でも先生を通して分かりやすい例えを使ってお話くださると、「あ、そうか」と興味がわきます。そして宇宙はまだまだ未知の世界ではあるけれど「証拠があることは疑いがない」と研究なさっていることへの自負と誇りを感じました。宇宙の謎を解き明かすX線天文学への期待が膨らんだ日でもありました。

会員による発表は資料を見ただけでは私には相当難しいと感じられるレベルでしたが、実際は丁寧な発表と、それにもましてわかりやすく言葉を尽くしてくださる大橋先生の説明と質問への回答のおかげで大変学びの大きい会になりました。エネルギーや磁力の高いところでは電子がはげ落ちてくと言った、ごくごく基本的なことに感心して過ごしました。プレミアムカレッジで受けた大橋先生の授業はすべてオンラインで、もともと難しい内容がさらに消化不良になるような感覚を覚えていたのが、対面のやり取りは素晴らしいものですね、100%とは言えないまでも十分に内容を味わえるのを実感しました。

私にとって宇宙はイメージすることが難しい世界なので、理解するのはなかなか難しかったです。ただ、先生が楽しそうに語られるので、楽しい世界なのかなと思うことはできました。

「宇宙は真空」であること、「温度・熱」が重要であること、「膨張と収縮の綱引き」などを知って、今後の学びの一助にしたいと思います。野辺山宇宙電波観測所で、天体が発するガスの組成の分析の解説がありました。物理と化学の融合も宇宙の謎を解く上で大切だと再認識しました。不確定性原理なるものがある中で、「証拠があるものに疑念はない」とのご回答に身が引き締まる思いがしました。

発表された方の準備の周到さ、先生の抜群の知識とご丁寧な対応に感激いたしました。X線天文学について勉強会で学んだ事を忘れないうちに復習し、少しでも理解を深めたいと思います。

3年前に大橋先生の講義をリモートで拝聴した時は、小生の理解レベルが追い付かず、宇宙が果てしなく遠い存在で謎だらけでした。その後コスモ同好会(宇宙の謎に迫る会)に参加し、さらにこの度は学長室で至近距離による講義をいただくという特別な機会を得ることができました。お蔭様で、宇宙が依然として謎だらけであるものの、一気に身近な存在になりました。

宇宙を観測する手段として、様々な波長の電磁波が利用されていること、波長によって適した観測対象や観測条件などが存在することが理解できました。今回のテーマであるX線観測では、超高温の天体が観測可能なことから、ビッグバン・インフレーションなどの初期宇宙形成課程や宇宙の大規模構造解明が期待されていて、JAXA開発のX線分光撮像衛星XRISMについても興味が深まりました。

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